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本書は医学生物学領域で電子顕微鏡を用いて研究、診断を行う全ての技術者、研究者、医師を対象にした、電子顕微鏡技術書である。 専門分野で活躍する多くの著名な技術者、研究者による執筆であるために、実際の電子顕微鏡操作、試料作製の方法、手順が明解に記載されている。また、写真、図、フローチャートをふんだんに用いて「よくわかる」技術書にまとめられている。 |
目次
- 1.透過電子顕微鏡の試料作製法
- 1.1 一般的な試料作製法(堀田康明)
- a.固定剤とその利用法
- b.脱水と置換の操作
- c.樹脂
- 1.2 動物細胞の試料作製法
- (伊藤洋二、宮澤七郎、根本典子、朴杓允)
- a.標準的な試料作製法
- b.各ステップにおける留意点と実際
- c.迅速試料作製法
- d.試料作製に注意を要する組織や構造
- e.病理組織の保存法と固定液
- f.パラフィンからのもどし電顕法
- g.器具・試薬の取扱いと注意事項
- h.電顕的検索が保険請求の対象となる病理組織と疾患
- 1.3 植物細胞の試料作製法(朴杓允)
- a.植物の電顕試料作製法
- b.固定前の準備
- c.各種の固定法
- 1.4 微生物の試料作製法(朴杓允)
- 1.5 硬組織の試料作製(江尻真一、小溝英治)
- 1.6 単層培養細胞、浮遊細胞、生体高分子試料(勝本哲央)
- a.単層培養細胞の試料作製法
- b.浮遊細胞、生体高分子試料の試料作製法
- 1.7 マイクロウェーブによる試料作製法(宮澤七郎)
- 1.8 オートティッシュプロセッサ(宮澤七郎)
- 2.超薄切片法
- 2.1 超薄切片法総論(高塩 稔)
- a.超ミクロトームの種類と原理
- b.超ミクロトーム室の条件
- c.超薄切片作製の実際
- d.超薄切のトラブルとその原因
- 2.2 ガラスナイフ作製(与那覇朝英)
- a.手割り法
- b.ナイフ作製機の特徴と種類
- 2.3 ダイヤモンドナイフの取扱い法(宮澤七郎)
- a.ダイヤモンドナイフの購入
- b.刃角度および取付角度の測定方法
- c.取扱方法と注意点
- d.クリーニング方法
- 3.電子染色(吉濱 勲)
- 3.1 厚切り切片の光顕染色法
- a.非脱樹脂染色法
- b.脱樹脂法
- c.非脱樹脂染色法
- 3.2 準超薄切片法
- 3.3 準超薄切片のポジティブ染色法
- a.非特異的切片染色法
- b.特異的切片染色法
- 3.4 自動染色機
- 3.5 ネガティブ染色法
- 4.走査電子顕微鏡の試料作製法(島田達生)
- 4.1 標準SEM試料観察法
- a.試料の摘出と切り出し
- b.洗浄
- c.固定
- d.導電染色
- e.脱水
- f.置換
- g.乾燥
- h.試料台への載物
- i.金属膜コーティング
- 4.2 観察面剖出
- a.自由表面の洗浄
- b.切断法
- c.剥離
- d.割断法
- e.化学的消化法
- f.染色体の割出
- g.分離ミトコンドリアの観察
- 4.3 鋳型法
- 4.4 遊離細胞の観察
- 4.5 培養細胞の観察
- 4.6 反射電子像観察法
- 5.支持膜と真空蒸着(北重夫)
- 5.1 グリッド
- 5.2 支持膜
- 5.3 真空蒸着
- 5.4 シャドウイング
- 5.5 レプリカ法
- 6.凍結技法(鈴木季直)
- 6.l 急速凍結法
- a.凍結の原理
- b.種々の急速凍結法
- c.凍結法の検討
- 6.2 凍結乾燥法
- 6.3 凍結置換法
- 6.4 凍結レプリカ法
- 6.5 凍結超薄切片法
- 7.組織化学
- 7.1 酵素組織化学(和泉伸一)
- a.酵素組織化学の原理
- b.電顕酵素組織化学の実際
- 7.2 レクチンその他の組織化学(川上速人)
- 7.3 免疫組織化学(小松連至)
- 7.4 pre embedding法(小松遵至)
- 7.5 凍結超薄切片法の応用(高田部昭)
- 7.6 post embedding法(根本典子、宮澤七郎)
- a.試料作製法
- b.樹脂包理法
- c.金コロイド免疫電顕法
- d.免疫染色の手技
- e.OsO4固定試料の免疫反応
- 8.オートラジオグラフィー(栗原孝行)
- a.電顕ARGの原理
- b.電顕ARGに使用する放射性同位元素
- c.RI物質の投与
- d.電顕試料作製
- e.グリッドおよび切片処理
- f.原子核研究用乳剤の種類
- g.乳剤塗布法
- h.露出
- i.現像
- j.染色
- k.電顕ARG像の観察上の注意
- l.1μm切片の光顕ARG法
- 9.写真処理(宮澤六郎、宮澤七郎)
- a.フィルムの特性
- b.暗室作業
- 10.透過電子顕微鏡の原理と構造(花市敬正)
- a.電子顕微鏡の基礎
- b.電子顕微鏡の構成とその役割
- c.電子顕微鏡の操作
- d.電子顕微鏡の保守
- e.電子線回折
- f.TEMにおける立体観察法
- 11.走査電子顕微鏡の原理と構造(村中祥悟)
- a.走査電子顕微鏡の原理
- b.走査電子顕微鏡の構造
- c.SEM操作の手順と分解能・像質への影響
- d.反射電子像
- e.低真空試料室を持つ走査電子顕微鏡
- f.走査電子顕微鏡における立体観察
- g.保守
- 12.分析電子顕微鏡(宮澤七郎)
- a.電子線マイクロプローブX線微小分析
- b.EPMA分析法
- c.X線スペクトルの見方
- d.測定条件の決め万
- e.バルク試料と薄膜試料における分析領域の違い
- f.試料作製上の注意
- 13.電子顕微鏡像の画像処理(村中祥悟、朴杓允)
- a.像質向上処理
- c.形態計測
- d.画像解析
- e.コンピュータグラフィックスによる
三次元再構築像の作製法
- 14.良い電子顕微鏡像を得るためのテクニック
- 14.1 良い透過電子顕微鏡像の撮り方
(会田嵯武郎) - 14.2 良い走査電子顕微鏡像の撮り方(松本健次)
- 14.3 試料作製・切削・染色法
- a.固定と採取の問題
(伊藤洋二、宮澤七郎、村中祥悟、朴杓允) - b.樹脂の問題(朴杓允)
- c.切削の問題(高塩 稔、朴杓允)
- d.染色の問題(朴杓允、根本典子、小松遵至)
- e.乾燥の問題(村中祥悟)
- 15.基本的な細胞構造
- 15.1 動物細胞の基本構造(森 吉臣)
- 15.2 植物細胞の基本構造(朴杓允)
付録1 電顕試薬の配合表
付録2 電顕で使用する試薬の危険性
付録3 単位換算表・スケール表
索引
執筆者一覧(五十音順敬称略)
会田嵯武朗
日本電子(株)電子光学機器技術本部
和泉伸一
長崎大学医学部解剖学第三講座
伊藤洋二
神奈川県総合リハビリテーションセンター検査部
江尻貞一
新潟大学歯学部口腔解剖学第一請座
小澤英浩
新潟大学歯学部口腔解剖学第一講座
勝本哲央
鳥取大学医学部中央電子顕微鏡室
川上速人
杏林大学医学部解剖学教室
北 重夫
東京女子医科大学総合研究所電子顕微鏡室
栗原孝行
金沢医科大学総合医学研究所
小松遵至(*)
東海大学医学部共同利用研究室細胞生物部門
島田達生
大分医科大学解剖学教室
鈴木季直
帝京大学医学部第二生理学教室
高塩 稔
岩手医科大学電子顕微鏡室
高田邦昭
杏林大学医学部解剖学教室
根本典子(*)
北里大学医学部電子顕微鏡センター
花市敬正
名古屋大学医学部教育研究機器センター
平野 寛(**)
杏林大学医学部解剖学教室
朴杓 允(*)
帝京大学医学部整形外科学教室
堀田康明
名古屋市立大学医学部第一解剖学教室
松本健次
日製産業(株)科学機器センター
宮澤七郎(**)
北里大学医学部電子顕微鏡センター
宮澤六郎
東京大学医学部附属病院検査部フォトセンター
村中祥悟(*)
浜松医科大学電子顕微鏡室
森 吉臣
独協医科大学越谷病院病理部
吉濱 勲
東京医科大学電子顕微鏡研究室
与那覇朝英
聖マリアンナ医科大学中央電子顕微鏡研究施設
(**監修者、*編集担当者、五十音順)