ご挨拶

本学会は昨年に35周年を迎え、第35回学術講演会を開催する運びとなりました。今年は平成最後の年であるのと同時に、新たな時代へのはじまりの年でもあります。昭和の終わりに産声をあげ、平成の時代とともに発展を遂げた当会にとって、本年は次への発展へとつなぐ重要な年といっても過言ではありません。このような機会を愛知県で開催できます事を、大変光栄に存じます。
  医学および生物学における科学技術の進展は、我々の健康長寿に大きな貢献を果たしてきました。昨年は、ノーベル医学賞で注目された抗体医薬などが記憶に新しいところです。その一方で、我々の快適な生活によって引き起こされる地球環境問題も提起された年でもありました。特に肉眼では見えないほどの小さなプラスチック「マイクロプラスチック」が世界中で注目され、海や自然生物のみならず、飲み水や人間の中にも蓄積しているという報告は、大きな衝撃でありました。また、腸内細菌のような人間に共生する微生物を有効利用するプロバイオティクスも、近年では、人間の健康に大きくかかわる事が明らかになってきています。マイクロプラスチックや微生物はともに微細な構造であり、電子顕微鏡技術は不可欠です。つまり、医学および生物学の分野で大きな寄与を果たしてきた電子顕微鏡技術は、生物の体内だけでなく、腸内から自然を含めた様々な「環境」を研究していくうえでも、大いに重要であるといえます。 このような背景から、今回は医学、生物学、環境学が関わった超微形態研究に注目しました。特別講演では、田中周平先生(京都大学大学院 地球環境学堂)にマイクロプラスチック研究について、公開講座では宗宮弘明先生(中部大学国際ESDセンター)に魚類の研究から学ぶ人類に生き方に関してご講演を頂きます。ワークショップでは、「三次元蛍光イメージングのための新技術〜組織透明化法と膨張顕微鏡法〜」、「光学顕微鏡と電子顕微鏡の間をつなぐ:LV-SEMの可能性を考える」、「疾患を超微形態で見つめなおす〜形態学復権へ〜」という3つのテーマを設定して、最新の光イメージング技術および走査電顕技術に関する話題のほか、臨床の現場における電子顕微鏡技術の最前線の話題など、幅広い分野に所属する方々に有益な講演会となるよう企画しました。一般演題においても充分な講演ができるように日程を組み、実行委員会一同、皆様の日頃の成果をご発表頂きたく、お待ちしております。医学、生物学、環境学をはじめとする、幅広い分野における研究者・技術者の皆様が、気さくに交流しあえる場となることを切に願っております。

医学生物学電子顕微鏡技術学会
第35回学術講演会および総会実行委員会
会長 武井史郎
実行委員長 紺野在
実行委員 一同
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